財政均衡主義が日本を滅ぼす!?憲法9条を支える意外な存在とは…

■ 総裁選での憲法9条について

こんにちは、大村小太郎です。

先月行われた自民党総裁選では、安倍首相が3選を果たしましたね。

 

そこでは憲法改正を最大の争点とした上で、

安倍首相はその中でも大きな争点となる憲法9条について

憲法9条1・2項を維持した上で、自衛隊を明記するという

方向性を打ち出しました。

 

これに対して、総裁選の対立していた候補の石破茂元幹事長は、

憲法9条2項を削除した上で、自衛隊を明記するという

軍の保持を定める方向性を打ち出していました。

 

補則を含め全十一章からなる日本国憲法ですが、

その中でも誰もが一度は目にしたことがある部分が

今回の大きな争点ともなっていた憲法9条です。

 

では、その憲法9条には何が書かれているかといいますと

それが皆さんご存知の以下の記載ですね。

 

第二章 戦争の放棄

〔戦争の放棄と戦力及び交戦権の否認〕

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

引用元:「衆議院トップページ >国会関係資料 >国会関係法規-日本国憲法」(2018年10月27日現在)

URL:http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-constitution.htm#2sho

 

以上の条文からもわかる通り、現在の日本の憲法では、

自衛隊の存在自体が明確ではありません。

 

そして、その存在を正当化するため、

9条3項創設による自衛隊の明記や、

2項を削除するといった争点で議論をしておりますが、

明文化だけを争っても本質的には意味が無く、

自衛隊法のネガティブリスト転換などの法改正や

国防に必要な予算付与など、他にも関連して

取り組まなくてはいけない事が山積みの中で、

そこの議論が十分にされないままでの改憲は

あまり意味がないのではないでしょうか。

 

少なくとも北朝鮮や支那を始めとした、

近隣諸国における軍事的脅威が迫る中、

日本の学校教育では、安全保障の何たるかや

国際法のことなどをほとんど教えずにいるわけですから、

これを機に日本の安全保障について

今一度活発な議論がかわされることを願っております。

 

その上で、この憲法について、

この国の在り方について、考えていくことは勿論ですが、

私達の生活と密接に関わってくる一般的な法律についても

理解しておくことが必要だと考えております。

 

■ 法令の優先順位

 

先程の憲法とより身近な法律について、

どの様な優先順位があるかご存知でしたでしょうか。

 

一般的には、法令の優先順位には

三つの原則があるといわれており、

それが「上位法令の優先」「特別法の優先」「後法の優先」です。

 

「上位法令の優先」とは、上位法で大きな理念を定め、

下位法で具現化するという流れの中で、

上位の法令を優先させるという原則であり、

日本では「憲法」>「法律」>「政令」>「省令」

という順位になっています。

 

次に「特別法の優先」とは、

「一般法」という全体へ適用する法令よりも、

特定の範囲に対して適用する法令=「特別法」の方が

優先されるという原則です。

 

最後に「後法の優先」とは、上の原則に照らしても同順位で、

「一般法」と「特別法」の違いが関係無い場合に、

新しく制定された法令が優先されるという原則になります。

 

そして、なぜ法令のお話をしたかといいますと、

実はこれを意識した時に、現在の憲法で

見て頂きたいところがあるからなのです。

 

■ 財政法と憲法9条の関係

法令の優先順位には上位と下位があるとお話ししました。

その中で、憲法より下位にあたる法律の中で、

皆さんは「財政法」という法律があるのをご存知でしょうか。

 

そして、この財政法の第4条には以下の様な文章があります。

第四条 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。

○2 前項但書の規定により公債を発行し又は借入金をなす場合においては、その償還の計画を国会に提出しなければならない。

○3 第一項に規定する公共事業費の範囲については、毎会計年度、国会の議決を経なければならない。

引用元:「e-Gov>財政法(昭和二十二年法律第三十四号)」(2018年10月27日現在)

URL:http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000034#11

 

この第1項では、「公共インフラなど以外では、

借りてきたお金を財源としてはいけませんよ」と書いてあります。

 

要は公債などの借りてきた負債で、

国が新たな事業や投資をしてはいけず、

歳入の範囲内でまかなう事を定めているわけです。

 

要するに財政収支の均衡化を前提としているわけです。

 

これが一家計であれば、良く出来た奥さん!といえるのかもしれませんが、

国の予算という公共性を帯びた場合には、必ずしもその限りではなく、

必要であれば負債を負ってでも行わなくてはいけない

支出というものが、国家運営には存在します。

 

上記ではそれを、公共事業費として

公共のインフラ整備などを想定していますが、

「教育」や「科学技術奨励」など、

いわゆる将来への投資といわれる分野に、

必要であるならば借り入れを行ってでも

政府は支援をしていくことが、必要だと考えます。

 

いずれにしても財政法の第4条では、

上記の様な財政収支の均衡という前提があるのですが、

では先ほど法令順位のところで見た、

「法律(財政法)」の上位のである「憲法」では、

どうなっているのでしょうか。

 

日本国憲法では、財政については第七章に記されております。

そして第七章では、それぞれ〔財政処理の要件〕

〔課税の要件〕〔国費支出及び債務負担の要件〕

〔予算の作成〕〔予備費〕〔皇室財産及び皇室費用〕

〔公の財産の用途制限〕〔会計検査〕〔財政状況の報告〕

といった項目に分かれており、この中で公費の支出要件として、

必要な条件を記載しているのは

第八十五条の〔国費支出及び債務負担の要件〕になります。

その条文では以下のようなことが記載されています。

 

第七章 財政

〔国費支出及び債務負担の要件〕

第八十五条 国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。

引用元:「衆議院トップページ >国会関係資料 >国会関係法規-日本国憲法」(2018年10月27日現在)

URL:http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-constitution.htm#2sho

 

これを見て頂けると分かります通り、

国費の支出には国会において議決があれば、

債務として負担することが出来ると記載されているのです。

 

しかし、先ほど紹介した通り、財政法の第4条では

公共事業費、出資金、貸付金以外は

国の歳出の財源としてはいけないと記載されているのです。

 

下位の法令である「法律」では、出来ないとされていることが、

上位の法令である「憲法」では出来るとされており、

法律と憲法において整合性が取れていない事が理解できます。

 

このように財政法第4条と憲法第85条は矛盾をきたしております。

では「法律」の上位が「憲法」であるなら、

財政法の上位法とは何処にあたるのでしょうか。

 

それが、実は冒頭に紹介いたしました憲法9条なのです。

 

何故、財政法の上位法が戦争の放棄を謳う

憲法9条にあたるのでしょうか。

 

経済評論家の三橋貴明氏は、戦争のためには

公債発行が不可欠であるため、その財源ともなりうる

公債(ここでは主に国債を指す)を発行を止めてしまえば、

政府は戦争遂行が出来なくなるとして、

憲法9条が上位法にあたるという事を指摘しています。

 

現に日本共産党の機関紙である「しんぶん赤旗」では

以下の様に記載されています。

 

この規定は、戦前、天皇制政府がおこなった無謀な侵略戦争が、膨大な戦時国債の発行があってはじめて可能であったという反省にもとづいて、財政法制定にさいして設けられたもので、憲法の前文および第9条の平和主義に照応するものです。

引用元:「公債発行を禁じた財政法の規定はなぜできたの?」日本共産党>2008年4月24日(木)「しんぶん赤旗」

URL:https://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-04-24/ftp20080424faq12_01_0.html

 

さらに、この点について、現行の財政法の制定時に

起案者であった平井平治氏(当時、大蔵省主計局法規課長)は、

戦争と公債が密接不可分の関係にあるとして、

財政法第4条が憲法9条を保証しているものだとしているのです。

 

また、作家の佐藤健志氏は著書

「平和主義は貧困への道 または対米従属の爽快な末路」では

以下の様に解説されています。

 

「戦時下の経済政策は、あくまで積極財政。財源が足りなければ、(主に)国債の発行という形で、国民、さらには友好的な他国から借金してでも、戦費を調達しなければなりません。しかしこれは、裏を返せば何を意味するでしょう?

そうです。国債を発行出来ず、借金を禁じられた政府は、武力に訴える能力を大きく制限されるのです!」

(佐藤 健志 著、発行所:株式会社ベストセラーズ、出版日:2018年9月25日 初版、『平和主義は貧困への道 または対米従属の爽快な末路』P 42より引用)

 

これらの事から、左派が国債発行を避けようと

していることが理解できますし、財政均衡主義が

国家の自然権として持ちうる自衛権を行使できない状態に

加担しているといわざるを得ないでしょう。

 

また、グローバリズムを信奉する勢力も、

小さな政府を目指していることから理解できるように、

財政均衡主義の考えがあるため、

国家の自衛権への制限を招いてしまいます。

 

デフレ経済における日本の経済状況を好転させて

経済成長を行うためには、政府における景気対策が必要不可欠です。

一刻も早く積極財政への転換を行って

デフレからの脱却を目指し、経済的弱者が苦しみから救われ、

それに起因する自殺者や家庭崩壊などが減り、

日本国民全体が豊かで幸せに成れることを、心から望みます。

 

後半で引用した参考図書は、以下の著書です。

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